カタカナ発音を止めよう sに注意編=ガラリと変わる英会話 8

こんにちは、日本と日本人を愛してやまないドロリシンコ博士です。
日本人が英語でコミュニケーションするときのポイント4種類、
A.言葉の選択、B.声と音、C.発音、D.内容の構成 の中で、今回は C.発音の話題、
「カタカナ発音を止めよう」 です。
日本人は基本的な教育において英語が必須科目に組み込まれています。文化的にも政治的
にも英語が重要なので、巷には英語から来た日本語、そして英語その物がたくさんあります。
流行歌にも英語が当たり前のように入っています。それなのに、どうして英会話によるコミュ
ニケーションがうまくできないという悩みを持つ人が多いのでしょう。

日本語はというと世界で一番ややこしい言語、複雑な言語、つまり習得の難しい言語では
ないでしょうか。文法は他の言葉と違うし、普通の文章でも主語はあったりなかったりするし、
いくら眺めても単語の間の境界は書かれていないから知らないと見定めるのは不可能だし、
文字は3種類もあるし、などなど。日本人とはそんな複雑な言葉をうまく使いこなしている
人々なのです。このことは、日本人は決して言語の習得が苦手な民族ではないことを示して
います。だから私は、こういう時はこういえばいいとノウハウを指摘するだけでなく、日本人
で英語コミュニケーションがうまく行かない理由を取り上げて理解していただくことが、大切
であると考えています。
さて、そういう複雑な日本語ですが、発音という面では日本語は比較的単純なのです。
そして、別のページでも書いたように、日本人同士はお互いに伝える工夫と努力をしなくても
気持ちが分かり合えると信じているので、だから余計に、英語の発音を一生懸命学ぼうと
しません。日本語の発音で英語を話してもわかってもらえると思っています。また、若い人に
は減ってきましたが、それでもまだ、英語らしい発音をすると気取っていると他人に思われる、
と思っている人が多くいます。しかしいろんな国の人が混ざり合って英語でコミュニケーション
をする必要が高い今の世の中では、英語には英語らしい発音をして相手に伝わりやすくする
努力が大切です。もちろん、英語らしい発音という唯一の発音体系があるわけではないので、
言い換えると、カタカナ英語からの脱出ということです。


日本語の音はというと子音と母音が対になっているので、日本人は元々子音の僅かな発音の
違いを区別していないという特徴があります。区別していないからこそ西洋の言葉を学び始めた
日本人は発音記号という物を発明しました。英語の発音はカタカナでは表記できないことを日本
人は良く知っているにもかかわらず、それを実行していないことに問題があります。

今回取り上げる、日本人が区別できていない子音は、sです。日本語の音にはshはあってもs
がありません。だから、非常に多くの日本人はseaとsheの発音の違いを区別できません。
seeもsheも日本語の発音ではsheと同じで、カタカナで書けばシーです。seatとsheetも同じく
日本人はsheet、カタカナではシートと発音します。正しい英語発音を敢えてカタカナを使って
書けば、seeはスィー、seatはスィートゥとなるでしょうか。(最後のtがカタカナで書けない。)
確かに、sheをseeと発音しても会話がメチャクチャになるわけではありませんし、文脈から
この人は
こういう発音をするんだなと外国人も次第に分かってくれるでしょうから、全く話が通じない
ということはないでしょう。しかしこういう些細でも変な発音は、あなたと外国人との会話に
ストレスとなって溜まっていきます。あなたが外国人に英語で話しかけた時に、何だか微妙な
表情、例えば相手の眉間に少ししわが寄っている、微妙に不思議な表情をしている、という経験
はありませんか。もちろんいつもsの発音が原因とは限りませんが、この程度の細かい違和感が
意思の疎通を邪魔するものです。

少し大げさな例を示します。seeやseaやsheだったら間違った発音をしても、酷いことには
なりませんがsitとshitだったらそうもいかないのはお分かりですね。こういうブログでは
shitのような汚い言葉は使わない方がよいのですが、ここでは日本人が失敗しないように
敢えて書いています。
shitの意味を本当に知らない方はご自分で調べてみて欲しいのですが、敢えて簡単にその
意味を書けば、日本語では”くそ”にあたります。失敗したときや気に入らないことを
ののしる時に日本語で”くそ”とか”くそったれ”などと言いますが、それの英語版です。
文章で書けば正に汚い英語なのですが、実はさほど深い意味なく日常生活で(少なくとも
アメリカでは)使われるものです。
映画などでは良く出てきます。しかし、知り合いでない人との会話やビジネスの場面では
決して使うことはないものです。
ですから、日本人が外国人と英語コミュニケーションをするときにshit を使うことは
まず止めた方がよいでしょう。なのに、発音間違いでshitと言ってしまっては、とても恥ず
かしいことになるし、意図していなくても聞き苦しい言葉は相手を不愉快にするか、それ
さえ区別できないあなたの英語力からあなたの信頼性に疑問が持たれるのではないでしょうか。
こういうわけで、私は日本人の皆さんに、英語の発音をきちんとする努力をするようにお勧
めしたい例として、最初にsを持ち出しました。
勘ぐり過ぎかもしれませんが、日本人がsの発音に鈍感な証拠として私が感じている事例を
最後に挙げます。それは警視庁刑事部捜査第一課にある特殊犯捜査係を「SIT」と略称する
ことです。もちろんエスアイティあるいは正しく(スィットって感じで)発音すれば何も
問題はありませんが、多くの日本人がシットと発音する実情を考えてこの略称を最初から
避けた方がいい、と私は思うのです。テレビドラマなどのセリフでこの組織のことを指して
シットというのを聞くと、私はぷっと吹き出してしまします。
皆さんの英会話においてはそういうことがないように、祈っています。

ではまたお会いしましょう。 お休みなさい。

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