謝ってはいけない=ガラリと変わる英会話 5
こんにちは、ロドリシンコ博士です。日本と日本人への愛を持ってこれを書いています。
英会話のポイント4種類の中で今日は、D.内容の構成、「謝ってはいけない」です。
つまり日本人独特の”すいません、ごめんなさい”に立ち寄ります。
私がお話ししている英語コミュニケーションのポイントは、単にベターな言い方を並べて
述べるだけでなく、日本人が間違えやすい理由、あるいは日本人がつい誤って使い外国人が
変に思う表現の根拠をお伝えしています。この根拠を理解することが、私がお示しした例
以外にもしっくりくる表現を使っていけるようになる近道だと思うからです。
日本人は間違いなく世界で最も礼儀正しい人達です。日本人は普段、他人の邪魔をしない
ようにと考えています。それは学校教育でも家庭のしつけでも当然のようにそう教えられる
からです。そう教育する習慣は、ほとんど無意識に維持されています。そういう無意識の
行動の原因を、私は文化的な遺伝子と呼んでいます。調和の遺伝子です。
学者には、この調和の遺伝子は1400年以上前から古代の日本において出来上がっていたと
唱える人がいます。1400年以上前に作られた17条の憲法の第一条に書かれているからです。
そんな日本人のほとんどは、いろんな場面で”すみません”や”ごめんなさい”と言います。
これは言葉の意味としては、謝罪の表現です。しかし日本人は必ずしも謝罪する気持ちがなく
ても、自分に非がなくても、いや誰かに非があるような事態でなく、礼を言ったり別れを告げ
たり、はたまた人に物事を勧めたりするような場面でも、”すみません”と言うことが非常に
普通の挨拶なのです。”ありがとう”がふさわしい場面、”嬉しいです”、”はい、どうぞ”、
あるいは”ではまた会いましょう”などと言えば良さそうな場面で”すみません”と言います。
正確に言えば
最近は”すみません”ではなく”すいません”と発する人の方が大多数です。もちろん ”謝ります”
がふさわしいシチュエーションでも”すいません”が使われます。
日本人同士が日本語で会話するときには、何でもかんでも”すいません”と言っていて不都合
は起きないのですが、これを外国人が聞いたらおかしなことになります。日本人以外は、
”すいません”を”謝ります”とか”失礼します”としか受け取りません。これは間違いない。
すると、もしあなたが事故を起こしたときに英語でコミュニケーションする必要があって、
”I’m sorry”と言ったら、あなたはその事故においてあなたが自分の非を認めたことになります。
そして自分に非があることを認めたならば、全面的に責任を取る意思表示をしたことになります。
そういうわけで、英語でコミュニケーションをする場合には、頭に日本語の”すいみません”が
浮かんでも、決して安易に、”I’m sorry” とは言わないで、別の表現を使いましょう。
それではまた会いましょう。お休みなさい。