気を付けろ プリーズは丁寧語ではない=ガラリと変わる英会話 3
ロドリシンコ博士です。日本と日本人が大好きです。
日本人は長年英語を勉強していますが、英語でコミュニ ケーションを取るのは必ずしも上手では
ありません。しかし、実はたくさんの英語を知っているので、ちょっとしたことを踏まえるだけで
劇的に英会話が進むようになって、英語によるコミュニケーションが取れるようになると信じて
います。
重要ポイントは4つあって、A.言葉の選択、B.音、C.発音、D.内容の構成 です。
今回は A.言葉の選択 の初回で、プリーズの誤解、「pleaseは丁寧語ではない」です。
日本語は丁寧な意味を持つ特別な言葉や表現を多く持つ珍しい言語です。日本語には非常に多く
の丁寧語や丁寧表現があって、相手や場合において複雑に使い分けています。
ほとんどの日本人は、日常的に丁寧表現とカジュアルな表現との両方を巧妙に使っています。
例えば、日本では年齢を気にすることが多く、自分よりも年上には丁寧表現を使うのが常識です。
また、社会的地位が自分よりも上と思えば丁寧表現を使うのが普通です。加えて、特に親しくない
人には丁寧表現を使います。親友ほど仲良しではない同僚相手であれば、やはり日本人は丁寧表現を
使うことが多いでしょう。
日本語の典型的な丁寧表現に、文末に”ください”を付けるというのがあります。これに相当する正確な英語はありません。
多くの日本人が、丁寧表現として”ください”という時に英語では、文頭か文末に”please” を
付けるのがいいと思い込んでいます。
正直に言って、これは間違いです。Pleaseのついた文章は命令か強い要請に近いのです。
例えば、
“give me something cold, please”は、”何か冷たい飲み物を取ってくれ”
という意味です。”冷たい飲み物を取ってください”と言いたければ、”Maybe you could give me something cold.”, “Could I have something cold?”, “Do you mind if I ask you to pass me something cold?” などがいいです。もちろん他にもたくさん、丁寧の度合いに応じた
言い方はあります。私がここでお伝えしたいのは、自分の丁寧な気持ちを伝えたければ、please+動詞 は
止めた方がいいということです。
please+動詞 が命令表現のようになっても、親しい間柄であれば必ずしも失礼とも限らないし、
場面によっては言いたいことは伝わって問題ないこともあります。一方で、とてもつっけんどんな言い方
に聞えて、相手との距離感が遠のくことがあるわけです。私がお伝えしたいのは、理解しないで使うと後者になることがあるということです。せっかく相手を思いやって丁寧に話したいときに、
全く意図とは違った命令調で伝わってしまうと残念ですよね。
それではまたお会いしましょう。お休みなさい。