もっとゆっくりと食べよう=ガラリと変わる英会話 10

こんにちは、ドロリシンコ博士です。やはり日本と日本人を大好きです。
英語コミュニケーションのポイント4種類、A.言葉の選択、B.声と音、C.発音、D.内容の構成
とお話ししてきた中で、今回はどれにも当てはまらない E.その他 にあたる「もっとゆっ
くりと食べよう」です。単に英会話でなくコミュニケーション方法なので、こういうことも
大切です。
例によって、その背景からお話しします。
日本人は常に周囲に気を配っています。これは農耕民族としての歴史に依る日本人に浸み付いて
いて、日本人は意識しないところで当然のように行動の根拠にしていることです。こういうのを
私は文化的遺伝子と呼んでいます。
農耕社会では、みんなお互いに協力して助け合うしかありません。現在でもそうでしょうが、
機械化されていない昔は特に周囲の人々と協力していかなければ、農業は営めませんでした。
だから協力し合う、つまり周囲の人々の邪魔をしないことが日本では当たり前に大切で、それが
日本人を世界で一番礼儀正しくした、と私は思っています。
そういう遺伝子が食事の時にも発揮されます。

日本人は外国の同僚と一緒に食堂でランチをしていても、非常に速く食べるのが普通です。
会話をしながらゆっくりと食べるのではなく、どんどん食べて一気に食事を終らせてしまいます。
そして”ごちそうさま”といって同じテーブルの全員が一斉に立ち上がって席を空けます。
これは、その食堂で他の同僚が席が空くのを待っているのが嫌だからです。
こういう行動はもはや習性なので無意識であって、たとえ誰も待っていなくても変わりません。
どんどん食べて”ごちそうさま”です。
そういう早い食事は静かなランチをもたらします。あなたの外国の同僚はそういう静かなランチに
居心地が悪いはずです。


[wp_ad_camp_1] 特に時間がなくて急ぐときには無言で食べるのも仕方ないでしょうが、
普通の食事の時にろくに会話もしないのは奇妙に感じます。まるで、自分が同席しているとつまら
ないのだろうかとさえ感じます。外国人の同僚は色々と話しかけてくるでしょうが、日本人は
それに応えながらも自らはあまり話をすることなく、早食いは止まらないことが多いのです。
そして日本人が食事を終えた時に外国人だけがまだまだ食事の途中であると、今度は外国人の同僚
の方が無言で急いで食べなければなりません。これはあまりにも可哀そうです。周囲に気を使うのが日本人の気質ならば、外国人の同僚がいるときには一気に食べてしまわないで、ゆっくりと
会話をしながら食事の時間を楽しむべきなのです。理屈で考えれば日本人もわかるはずですが、
早食いは無意識になってしまっているので、こういうことになってしまうのです。
そこで私は日本人に、外国の同僚と一緒にいるときには敢えて努力してゆっくりと食べることを
お勧めします。意識して2倍以上の時間を掛けてください。

そして、以前私が書いたように、”名詞を投げて”、シンプルな文章でつないでいけばいいのです。
あなたの食事時間がもっと実りあるコミュニケーションの時間になるはずです。

それではまた会いましょう。 ごきげんよう。

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